[2011. 2.15]
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今回もまたランタボのレストアの様子を紹介していきます。
前回は左側のフロアとサイドシルの復元でしたが今回はその右側とカウルトップを進めていきます。
右側の状態は左側に比べると更に酷く…より大掛かりな作業になりそうです。
右フロアとキャビン。
ピラー内側には雨水が流れた痕がある。
写真は穴の上から新しいパネルを置いてシーリングで塞いだもっとも安易な修理方法。
安くて早く仕上げるならベストですがこういった修理はあんまり好きじゃないんでウチではやらないです。
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作業紹介の前に…
写真の鈑金職人は何を隠そう私の師匠です。
ここ最近の入庫状況から一人での作業に少しばかり限界を感じていたのですが…
作業に対する考え方や修理方法が異なる職人を募集して雇うと、意見の食い違いから決してうまくいかないと常日頃から思ってまして、どんなに忙しくとも見習いと一緒に頑張って訳なのですがついに厳しいと判断しました。。
特に加工や改造、レストアなどといった通常の鈑金とはまた少し違った作業は経験がないと出来ませんのでもし募集をするならばその職人の作業を見て判断しなければなりません。
それもまた時間が掛かるし面倒。
ましてその作業が気に入らなければお断りしなければならず、それもどうにも申し訳なかったりするわけです。
であれば…いるじゃないか、一人!
って事で私に鈑金のいろはを教えてくれた師匠に声を掛けてみた次第です。
師匠であれば基本的に考え方と手法は似てますのでスムーズに仕事が進むのは間違いないです。
師匠は私がよく作業するFRP関係の作業はやりませんがレストアや鈑金加工はとても上手な腕前で溶接に関する知識も豊富な方です。
実はもう既に引退をされてたのですが、しばらくの間、手伝ってくれる事になりました。
工場に小さくて話好きなおじいちゃんがいたら、それが私の師匠の西村さんです。
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右ピラーと同時に進めているカウルトップ。これも過去の修正痕が目立ちます。
前回修理した時には錆対策なのかパネルボンドを多用し溶接はほぼされてない状態。
何故か至る所にパテが入りピラー先端まで少しパテで伸ばしてありました。
ここら辺も含めて錆が発生してる場所は切断していきます。
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ボディの切開は出来る限り小さく抑えたい所なのですが、これだけ腐食が進んでますとやはりここまで切らないとなりません。
ここまで切断したとしても錆が全て取り除ける訳ではなく、ある程度の所で新しいパネルを貼り付けます。
あとはいかに今後の錆の進行や発生を抑えられるかが大変重要なポイントになります。
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酸素溶接も非常に丁寧で上手です。 |
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部品取り車と合わせて切断したパネルを切り張りしていきます。
師匠は生粋の鈑金職人で鈑金屋になる前は何をやってたんですか?と尋ねると、「子供だよ。」と答えたりします。
ちなみに同じく鈑金職人の父親を持つ師匠は8人兄弟の末っ子で兄弟は全員鈑金職人という、信じられないような家系です。
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もうすぐで70歳に近いですが全然フットワークは軽いです。
長年、染み付いてきた技はやはり体で覚えており手際よく作業は進みます。
ただし最近の機材を使った作業方法や素材の違いによる修正方法などは全く知らない様子でしたのでこの辺りはオイラとタッグを組んでいきたいと思います。
確かに今オイラがここでこの仕事をしてるのは西村さんのお陰ではあるけれども、しかーし、、、、その後姿を見ていると20年前にいろいろいじめられた事を思い出したりもします(笑
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真鍮溶接をする師匠。趣味はビリヤード(四つ玉)鮎釣り、紙飛行機作りなど
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とりあえず鮎釣りの解禁までは時間に余裕があるとかなんとか、ムニャムニャ言ってたけどレストア待ちのお客様も多々いることから、しばらくの間作業を手伝ってもらおうっと。
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ランタボ乗りならすぐわかる、このパネル!
コアサポートとフレームを繋いでるパネルですね。結構錆びやすいようで部品取り車共々NG。鉄板から製作したものがこちら。
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ここまで作業が進んできますと部品取り車のランタボもバギーみたいな状態になってきました。
大活躍ですね。
この日は外で切断作業をしてたので入間アウトレットパークに行く方達から注目を浴びていました。
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溶接で固定されているカウルトップも部品取りから脱着して剥離していきます。
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裏側も塗料と錆を落とし防錆処理。
ここはカウルトップ中央のアミの箇所に水が入るとフードレッジ脇の穴から流れる仕組みなっている為、湿気がこもり易く、錆が発生しやすい部分だと思われます。
前回の補修では切断後、パネルボンドで固定してましたが今回はスポット溶接で溶接していきます。
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ここで最近作業したものをいくつか紹介。
イギリスのオートバイブランド、トライアンフ(TRIUMPH)のMF4という型式のバイク。
タンクにある凹みの修理依頼です。写真でもわかる通り色が少し特殊でして艶なしの緑(MattKhaki Green)で調色が少し難しそうな感じの色ですね。
ちなみに今回の塗装でタンク上部にあるステッカーが交換になりましたがイギリスから取り寄せになりますので納期1ヶ月。
こういった特殊な塗装もやってますんで困ってる方お問い合わせください。
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続いてこの車両!右側面のパネル全て交換。
損傷はちょうど中央部分だったのですが車体の構造上、順番に重なり構成されているパネルですので全て交換になってしまいました…
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キズや汚れに細心の注意を払う |
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パネル交換の際には溶接を伴いますので燃える可能性があるものは全て脱着。
この車両はキャンピングカーでしたので家具の脱着と組み立てに時間がかなり掛かります。
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こういったキャンピングカーの内装にはスポンジ&布を貼り付けてあったりしますので、これらも全て取替。
一度剥がしたものは再使用出来ませんので寸法を測りながら製作していきます。
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これらの家具はすべて手造りのようで仕上がりは素晴らしいです。製作してる方はすごいですね。
トイレと風呂がないだけで、正直住んでも良いくらいな空間です(笑
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さて、右ピラーとフロアの修正の続きです。
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錆の上から板を張っていただけの状態でしたが写真のように修正できました。 |
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次回はいよいよエンジンを降ろして右のフードレッジとコアサポートに手が入ります。
全国のランタボファン並びにレストアマニアな方お楽しみに!
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同時作業でご予約のR33GTRサイドフレーム交換とBNR32GTRプチレストアとサイドシルの補強加工と作業は続きます。R33GTRはお預かりした時はお客様でしたが今は弊社の社員だったりします。
助っ人登場で作業の回転が速くなってます!ご予約頂いてるレストア作業のお客様、頑張ってますんで今後ともよろしくお願い申し上げます!!
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