[2015. 8.12 ]
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今回ご紹介するには昭和61年モデル JT150型いすゞジェミニのルーフのレストア作業の様子です。
お預かりが長期間になるフルレストアは順番で作業させて頂いているのですが部分的なレストア修理は通常の鈑金塗装と同じような形で予約受付中でございます。
さて、一見するとキレイなジェミニに見えますが新車当時から30年近く経過しますとボディにも不具合が出てきます。
細かくボディをチェックしますとキリがないので今回は錆の進行が特に酷いルーフを重点的に修復していこうと思います。
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ルーフサイドのドリップシールを外して確認してみますと表面に錆の浮きが目立ちます。このドリップシールはルーフのミミに挟まる訳なんですがこのミミ自体が原型を留めておらず、しっかりとした固定も出来ない状態です。
欠損したり錆びているのが一部分だけであれば切断して新しく鉄板で作っていけば良いのですが今回のように全体的に錆が酷い事が予想される場合、交換がベストだと思います。
しかーし!
交換と簡単に言っても昭和61年モデルのジェミニのルーフが新品で存在する訳がありません。
一応メーカーに聞いてみたけどね。
メーカーからの返答は…
生産中止です!当時の金額も分かりません!
とのことでした(笑
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謎の巨大木箱登場
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オーナー自らが手配してくれました大きな木箱が届きました。
中身は宝物の…
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ルーフパネルのカットされたものです。(^o^)ノ
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生産中止等で新品がなければ中古の部品を探すのが良いです。ドアやバンパーなどの中古部品は皆さんも御馴染みだと思いますがこういったボディパーツも運が良ければ手に入ります。
絶対に直すんだ!という強い気持ちが運を引き寄せたりしますので中途半端な心構えの人には良い部品が巡って来なかったりします。
常日頃から愛車の事を考えておく事が大事ですね。
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とはいえカット部品も同年代の為、錆びてたりもしますがまだまだ全然平気なレベル。
部分的な切り張り修理で修正してから使用したいと思います。
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ガラスを脱着して状態を確認するとご覧の通り酷い有様でした。
右側の方が錆の進み具合が早いようです。これには理由がありましたが切断してからよく考察したいと思います。
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ふと工場を見渡すと平成初期の奴らがいます(笑
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ブースには三菱リベロ。
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ポルシェは比較的若いけど隣は68カマロ。
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リフトではマフラーの仕様変更為入庫中のミゼットUですね。
前回の記事はこちら。
音量を下げたいとのご希望でリヤのタイコから作り直す事になったのですが消音効果を発揮する純正タイコを横向きにしてテールは左側から右側に移動する作戦。
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うまくテールの位置を決めるためにステンレスのエルボを3つ使用する事にしました。
あらかじめTIGで溶接して準備しておく。
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どーですか!
バイクのチャンバーみたいでカッコイイ。
音量はメチャメチャ静かになりました。燃料のタンクとタイコの間隔が少し狭いのでアルミのヒートプレートをリブの補強を入れてセットしたら
完成です。
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ワンオフのマフラー製作します。
興味のある方お気軽にお問い合わせくださいませ。
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さてさて、少しどころか大幅に話題がそれてしまいましたがジェミニの修理の続きです。
ルーフは何枚かのパネルで構成されておりますがまず1枚目のパネルを切断していきます。
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当時の部品伝票がそのままのピラー
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ルーフを切り取ると想像通り錆が酷いです。特に右のフロントピラーからルーフにかけては他の部位に比べてパネルの接合部が酷い感じです。
接合部分が錆びているだけではなく溶接すらされていない箇所がありグラグラ動く状態です。
これは、その昔の鈑金修理が原因ではないかと思われます。この車両は過去に右フロントピラーの交換歴があり交換するにあたって本来であればルーフを取り除いてからピラーを取替しなければならないところをルーフはそのままの状態で強引にパネルの隙間にピラーを差し込んだ為、溶接が出来ない箇所が出来たのですね。
ミグでの溶接箇所は焼け抜きも多く適切な電流と電圧ではなかったと思われます。当然の事ながらパネルの隙間などに防錆処理などは行ってない為錆が発生した訳です
こういった修理はその場は良いのですがあとでこういったトラブルになる可能性があります。
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これは剥がしたルーフの裏側。錆が出ている箇所はワッシャーの溶着痕。ピラーを交換した際に一緒に凹みを修理したんですね。
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部品取り。車両側を切断したらいきなりカットパネルを溶接できる訳ではなく溶接していく順番がありますのでカットパネル側も車両側同様にバラバラにしていきます。
カットパネル自体も錆が発生してたりしますので修正しながら作業は進む。
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2枚目のパネルを切断して錆取り中のパネル。
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ルーフ下のパネルと比べると一番下のパネルは健在でした。
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錆取りと修正。すべて完璧に錆が落とせたり予防出来る訳ではないのだが今出来る限りの事はやっておく。
このパネルの上にもう一枚パネルを溶接してその上にルーフが被さる訳なのですがこういった袋構造になった部分は湿気が溜まりやすく更に湿気が凝縮して細かい水滴となりパネルの隙間に錆を発生させるのだ。なので出来る限り隙間をシールしたり防錆剤などを塗布する事が重要になってくる訳です。
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隙間をしっかりとシールした後、骨格に合わせた色を塗っていきます。
茶色に見えるのは電気を通す特殊な塗装。この後スポット溶接をしていきますのでこのような作業手順になります。
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ルーフ下のパネルの切り張り修理。わかり難いと思うのですがルーフを取ったあとの一番錆が酷かった箇所。
よく見るとわかると思うのですが、このパネルこそが今回のカットパネルが活躍している箇所です。
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ルーフ下パネルの塗装
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カットルーフ裏側。アンダーコート除去。
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そして裏側もしっかりと塗装しておく。
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意外と重量がありますの二人で慎重に乗せます。左のチョビヒゲが鈑金修行中の並木くん。
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この方は塗装担当の田山氏。カスタムペイントも得意です。
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ここまでくると、かなり復元が進んだ気がしますね。
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スポット溶接の数は純正に比べて多く打ちます。
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挟めない箇所はミグでの溶接になりますが、その他の部分は1つ1つ丁寧にスポット溶接にて接合していきます。
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まったく話が飛びますがこちらは作業の合間をみてチョコチョコ製作してたランタボのオイルパンバッフル加工。容量を少し増やせるように前に少し延長した箱を取り付けて東名のバッフルプレートをベースにワンオフ製作。デザインはオーナーさん
依頼があれば作るので興味のある方からのご連絡待ってます。
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そうして遂に塗装。なんだか胸がすっきりしますね〜。
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さすが町の遊撃手
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レストア修理を行い納車時に思うのですが入庫時と納車時の概観に大きな差はありません。修理に携わった人たちとオーナーさんだけがわかる、この達成感!実に素晴らしいですな。
その内部の骨格は今回作業紹介させて頂いた通りしっかりと作りこみましたので長くこの状態を維持できるはずです。
錆びている部分を切断して新しい鉄板を貼り付ける。または鉄板から無い物は作っていく修理の他にこういったカットパネルを使用した修理方法もあります。
カットパネルの状態にもよりますが料金的には決して高額にはなりませんので同じような境遇の方は部品取り車を利用しての修理も検討してみたらいかがでしょうか?
修理のご相談はお気軽にご連絡くださいませ。
親身に対応致します。
ジェミニの当時のCMがユーチューブにあったので紹介します。そのポテンシャルは凄いです。
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